ごきげんよう。
本日は2021年を今年たくさん聴いた曲と併せてBEST OF KPOP 2021を振り返っていこうと思います。
KPOPを聴くようになりはや14年目となり、わたしの人生の半分以上がKPOPとともにありました。ここについての話はまた別の機会にゆっくりと書きたいと思います。
今年の曲、順不同で10曲になんとか絞りました。
01.Sticker / NCT127
youtu.be
今年の曲と考えて、一番に思い浮かべるのは間違いなくこちら。
印象的な笛の音に始まり、初っ端からバース数の多いラップ、前代未聞の音数の少なさのままサビに突入する勇気、全くガイドラインのないベースに格別のボーカルが乗っていく、これが「NCT127」だという概念そのもののような一曲。
近年稀に見るエポックメイキングだと言わざるを得ないのではないのかと感じます。
公開されて一番にMVを見た時は、あまりの情報量の多さにフリーズしてしまいましたが、改めて音源で聴くと何度聴いても飽きない、スルメソングとなりました。
音源が出てからというもの、毎日聴き込んでいるStickerですが、聴くたびに必ずときめく歌詞がふたつあります。
「지구 말로는 그거 L.O.V.E」(地球の言葉でそれはLOVE)
地球の言葉でそれはラブ…カムバック前のVライブでのスポで聞いたときから、わたしのこころを捕らえて離さない魔法の言葉です。わたしが今現役のJKだったら、何か事にかこつけて「地球の言葉でそれは…?」とお友達に絡んでウザがられるんだろうなと容易に想像ができます。とってもお気に入りになってしまいました。
かなりクサイ台詞ではありますが、そういった古き良きダサさに古のKPOPを感じてしまい、聴くたびにときめきます。大好き語彙。
もうひとつ、印象的で大好きな歌詞があります。
「애착심이 솟구치네」(愛着心が湧き上がってくるね)
愛着心って湧き上がってくるんだ…と感動したのがこの歌詞。「愛着が湧く」と一般的に使用される表現なので、よくよく考えれば一般的な表現のひとつかもしれませんが、わたしの中ではかなり特異な表現であるように感じます。「愛着がわく」でも「愛着を持つ」でもなく。「愛着心が湧き上がてくる」んですよ。
わたしの中で「愛着」というものはとても穏やかで静かなイメージがあります。少なくとも動的なイメージはありません。その穏やかの象徴であり、静的な深い愛である「愛着」が「湧き上がってくる」、このような音数の少ない曲で。そういったところに、作り手(音楽家やプロデューサー)と演者(NCT127)からのとてつもない攻撃性というか、挑戦的な気概を感じます。
気概・・・この曲が公開された日に、強く感じたのがこの「気概」でした。
今年はSM最大手であるスーパーアイドルEXO(わたしの学生時代の記憶の中心はEXOでした)が兵役に行き、じわじわと囁かれていた世代交代がゆっくりと進行しているのを感じていました。
そしてこのタイミングで発表された「Sticker」は今までで一番プレッシャーのあるカムバックではなかったかなと個人的には感じます。
わたしが社会人になったからなのか、このように会社の社運がかかった時期のカムバ曲に大衆受けとはかけ離れた曲を選ぶ会社の偉い人たちの気概が本当に好きだなと感じます。これで勝負したいと思うパッションは、わたしも見習わないととまで思ってしまいます。もちろん、それをしっかりと消化しきったイリチルが素晴らしいのは前提ですが。
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ここまで書いている間にソカデ(※ソウル歌謡大賞:서울가요대상)で大賞を取りましたね。この曲が大衆に認められる韓国の大衆の音楽性がすごいですよね。これが日本のMステで流れようものなら茶の間の空気おしまいになりますよ。(前説であれだけ語ったのに?)
何はともあれ、社運をかけた勝負曲がきちんとした結果として戻ってきた事実がわたしはとても嬉しいです。これをエビデンスとしてこれからももっと変な曲でカムバして欲しいです。普通にいい曲はNCTじゃなくてもできるけど、NCTみたいな曲はNCTにしかできないので。
02.Fire/Ciipher
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Spotifyにレコメンドされ、なんとなく聴いたアルバム「I like you」の4曲目こと、Fire。
この曲の良さは、一言で説明すると俗に言うスルメソングかなと思います。
歌詞はかなり粗削りな感情で、これがザ・高校生男子の思考って感じなのでは?と感じます。
Baby I’m tired 넌 이미 알잖아 너무 예쁘단 말이야(もう疲れたよ、君はもうわかってるでしょ?綺麗すぎるんだよ)
特に好きなのがこの歌詞から始まるサビ。
思い通りにいかなくてやきもきするし、もう全部どうでもいいって投げ出したくなるような感情と、でもふと顔を上げた時に目に映る彼女はとても美しい。
悪態をつきながらも結局は彼女の美しさに降伏するしかない、この感情はとてもリアルなんじゃないかなと思います。
こういう一見正反対な感情は、意外と両立するんですよね。
感情がなかなか落ち着かない感じと音のハマり方が本当に絶妙で、一時はずーっと聴いていました。1時間近くずっと聴いていた時もありました。
Ciipherさんのこと、お恥ずかしながら本当に何も存じ上げませんが、このアルバムは端から端までとても好きです。そしてラッパーが全員上手いですよね、とても。
同アルバムよりもう一曲、同じくらいよく聴いたのが「solo」
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この曲、ステージあったんですね。いま知りました。
年々、MVを見る元気がなくなり音源のみで曲を探すようになりました。おかげでどんな方が歌っているのか何もわからない状態で曲だけ知っているという状況が増えました。なんとなくMVを見るのが億劫になってきたんですよね。気力が要るというか、体力消耗が激しいというか。
また脱線してしまいました。
この「solo」はわたしの一番好きな曲調かもとも思います。力の抜けたヒップホップと表現していいのかな。こういう曲をさらっとできるアイドルだいすき。ありがとう。
너만 보면 식은땀이 흘러 모태솔로(君を見ているだけで冷や汗をかく母体ソロ)
アイドルがそんな歌詞を歌う_な、と思ってしまうけど、
全体通してとても好きな曲です。特に最初の方、出てきても出てきてもラップが上手くて安心して聴けます。
03.Rollercoaster(왜 만나) / DKB
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リーダーでラップ担当のイ・チャンミンことE-CHAN(イチャン)さん、2016年放送のサバイバル番組「少年24」の時からラップが好きで密かにデビューを楽しみにしていました。
2020年にデビューし、その年に出た曲は正直そこまでしっかり聴き込めるほどハマらなかったのですが、2021年に出た曲はかなりわたしの中でしっくりときて、しっかりと聴きました。
우리 사이 뭔데 대체 왜 이런데(僕たちの関係はどうしたらいいの)
우리 왜 만나 대체 왜 만나 우리 왜 만나(僕たちはなんで会うの?)
イントロから最後まで、ずっと「最高」なままという奇跡の曲。
別れてまた戻ってを繰り返す恋人同士の曲だと思いますが、音楽と振付がぴったりなんですよね。節操のない慌ただしく見える振付や、控えめながらも展開の多い曲調ですが、結局同じサビに戻ってくる感じ。よく出来てるなあと感心してしまいます。
曲名の「Rollercoaster」も秀逸ですよね。
これはTMIですが、わたしは韓国の音楽界で頻出する「ローラーコースター(ジェットコースター)みたいな恋愛」という恣意的な表現が好きです。
好きすぎて、大学生時代に言葉の恣意性の授業で「롤러코스터 같은 너(※heartbreaker / NCT127)」の指す恣意性について論文書きました。英語の論文なのに謎に韓国語を例に挙げたので評価は微妙でしたが今でも自分が書いた好き論文のひとつです。
また脱線していました。
こういうどうにもならない恋愛って、多分誰もが若い頃に一度は経験する(または近しい人間が経験する)から、誰もの近くにあるのではと思います。
こういった曲を聴くたびにあの頃のどうにもならなかった感情が呼び起こされる感じがなんとも好きなんですよね。
あと個人的に好きなのが、
더 이상은 사랑이 아닌 정 초코파이처럼(これ以上は愛じゃなくて情 チョコパイのように)
という歌詞。初見で聴きながら「突然?」と思わず笑ってしまった菓子歌詞。
チョコパイのパイ生地と真ん中のマシュマロみたいな部分と比喩しているのかな?と思いますが、韓国のチョコパイ事情に情景の低いわたしには理解が追いつきませんでした。ローラーコースターなんて比にならない恣意的な言葉の意味付け。これだからKPOPは面白いですよね。
同じくDKBからもう一曲「ALL IN」
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イントロが2012年のKPOPなのにサビで異様に洒落た音がするでお馴染みの「ALL IN」
줄 거야 모두 줄 거야 모두(あげる、全部)
このサビの歌詞の倒置法が印象的で好きだし、これによってより歌詞が切実な表情がついて最高。
DKBの上記2曲は、一曲の中にドラマがある感じがするけど、それが好きなのかなと今聴きながら思いました(メモ)
04. 1% / ESON
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2020年に解散したWE IN THE ZONE(以後WITZ)のリーダーこと、キム・イスンくんのソロEPからの一曲。
個人的にKPOPアイドルの中で一番好きなラッパーです。音のはめ方やリズム感が一線を画す実力者だと思います。
2019年は狂ったように現場に足を運んでいました。懐かしいな、コロナのない世界・・・
イスンくんについてはまた別の機会にきちんと記事を書きたいなという気持ちがけあります。
イスンくんが2021年ソロになってから出したEPは、全体通してかなり良かったです。
音楽に対して真摯な気持ちが伝わってくるようなアルバム。
その中でも特に好きだった1%を選ばせていただきました。
Tuesday Wednesday Thursday Friday Saturday 여기 쉬고 Monday
Sugar Sunday 좀 쉬어 가고 싶은데 뭐가 문제야
(火曜 水曜 木曜 金曜 土曜 ここで休んで月曜 Sugar Sunday ちょっと休んで行きたいのに何が問題なの)
正直ここの歌詞が好き!!!!というより曲そのものが好きで、それに好きラップが乗ってて最高、という歌なのですが、個人的には「sugar sunday」という語彙が好き。お砂糖みたいに甘い日曜日。そんな日をくれるイスンくん最高ですよね。
05. Breath / GoldenChild
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この曲は確か年明けすぐに音源が出て、大好きになり「今年の曲はこれ!!!!!」と強く思った記憶があります。
春の爽やかな朝のよう曲。
THE・アイドルソングというキラキラ清涼感を中堅アイドルがしてくれるという事実が本当に有難いです。個人的にデビュー2年目くらいまでのアイドルがしてくれる幻ソング。
잠시 네게 머물러 숨 쉬고 싶어(少しだけ君に留まって 息をしたい)
個人的に去年2020年の自己肯定感ブーム真っ最中の時期に、
当時人気絶頂だったITZYが「わたしはただわたしになりたい」と歌ってた時期に、
「君になりたい」「君の中で生きたい」と歌ってたゴルチャがかなり好きでした。
その時の気持ちを彷彿とさせる歌詞で好きです。
爽やかな風が吹いてくるような曲。
こういう曲が歌えるアイドルは実はかなり少ないと思うのでただただ有難いです。
同じアルバムから同じくらい好きな曲「cool cool」
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IZ*ONEが歌ってもいいじゃん・・・と感動した曲。
やりたいことはしたらいいよね、ダメなこともないよね、もっとcoolに生きていいよね・・・となれます。
なんというかヨドルの歌いそうな曲で良かったです。
06. All I Got / BAEKHYUN
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EXOの天才ボーカルこと、ベッキョン様のアルバムからこの一曲。
この曲を聴いたとき、「ついにべっちゃんイっちゃったな」と感じた記憶があります。
歌姫のぬっきむを感じる魂の震えるボーカル。
この曲を聴くたびになぜかわたしはマライアキャリーを思い出します。
네 곁에 머무를 행운을 줘(君のそばに留まる幸運をくれない?)
こんなキラーリリック他にありますか????
これでもかという切実な表現にわたしはこころを鷲掴みにされました。
「勝手にしあわせになるから、隣においてくれない?」と言った過去の自分がリフレインして辛くなりますが、あまりにも好き語彙でずっとこころに留まっています。
べっちゃん、ここまで歌える彼がアイドルをしているという事実に感謝しかないです。
ありがとう、はやく帰ってきてねと恋しく思います。
個人的にこカフェでこの曲流れたら、そのセンスに通い詰めてしまうなと思いました。
実質マライアキャリーなので、カフェ向きだと思うけど、ハートボイルドすぎますかね…
07. SUGAR / MIRAE
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未来少年改め、MIRAEが8月にリリースしたアルバムの収録曲。
デビュー以来個人的にいちばんメンバーの声質にぴったりあった曲でとても良いです。
이 감정은 Like sugar 네가 내 시야에 들어서는 순간(この感情はまるでsugar 君が僕の視界に入ってきた瞬間)
個人的に韓国語と別の言語で韻を踏む歌詞がだいすきで、これも例に漏れず好きでした。
sugar(シュガー)と순간(スンガン)で韻を踏んでるのとても良いです・・・
이마 위를 탁 치고 또 봐도 뒤돌았다가 되돌아봐도(おでこを叩いてまた見ても 引き返して振り返って見ても)
너뿐이잖아 정말 No one Honey, Sugar(本当に君しかいないんだ 君だけだよ、honey, sugar)
サビのこの畳み掛けもとても良いです。
これは個人的に感じているのですが、こういう畳み掛けはKPOPでしかほとんど聴かない気がします。
勢いが良いよね。デビューすぐの若い時はこういう若さに全振りした曲を一生やってほしい・・・若さは有限なので・・・
08. Multiply / WOODZ
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初っ端から「今日、星飛ぶ空が見えたんだ。君も同じ空を見ていたらいいな。」って・・・愛だ・・・。
最初から最後まで全編英語歌詞の最上級に甘いラブソングです。
スンヨンくんの甘い歌声やボーカルとぴったりハマった最高ソングです。
ろうそくの揺れる光を眺めているような、穏やかで恍惚とした気分になれます。
こんな恍惚境みたいな体験、音楽を聴きながら存在するんだ…と感動します。
特に甘いのがサビのこの歌詞。
Wanna be by your side. Let the world know you're mine. I love you a million time.. (君の傍にいたいんだ。世界に君は僕のものだって知らせるんだ。100万回愛してるよ。)
アイアンマンでさえ”3000回愛してる”、なのに。
09. Acutually Pt.2PENOMECO / PENOMECO
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わたしが韓国好きラッパーベスト3に選ぶPENOMECO(以下ペノ)の新譜からこの一曲。
これはBlock.bのZICOさんが2019年に出したactuallyの後続曲です。その曲で歌われていたヒロインの彼氏目線でのアンサーソングです。
ジアコさんの曲の中ではヒロインのこと粗雑に扱うどうしようもない彼氏で、
「そんな彼氏とははやく別れて目の前のジアコさんと付き合いなよ」と感じてしまうようなそんな曲でしたが、本曲では、自分の彼女にちょっかいを出してきているヒロインの男友達にイライラしながら、彼女のことを思っての行動だったことを弁解しているわけで。
この曲を改めて聴くと、彼氏がいる女の子の周りをうろうろするジアコさんに少し違和感を覚えたり、なんなら当の彼女本人が煮え切らない態度なことに疑問を覚えたり・・・
すべてのことは多面性であり、見え方・感じ方は人それぞれで、人間はすべて自分の良いように解釈をするんだなと考えさせられます。重いですが。
これについてはリリース当時語り尽くして、今ここにたくさん書く元気が残っていませんが、ジアコさん、ペノを表舞台に引っ張ってきてくれてありがとう・・・(泣)という強い気持ちを再確認します。
表題のこちらもとても好きで悩みました。
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コロナ禍のことを歌っているのだと思いますが、
어쩌나 저쩌나 해도 둘이어서 좋다고(なんだかんだ言ったって一緒にいれるからしあわせ)
おうちから出られなくて、四角い画面の中で旅するしかできないけど、
そうやって不満はたくさんあるけど、結局一緒にいられるからしあわせ・・・
こういう捉え方は本当に前向きで素敵だなと思います。
ペノのアルバムは端から端まで最高なので、ぜひ聴いてください。
わたしは休日の昼下がりのカフェで作業や読書をしながら聴くのが好きです。
自分が大人になった気持ちになれるので。そう思っている間はまだ子供なのでしょうが・・・
10. Beautiful Beautiful / ONF
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コロナ禍でこんなに感動的カムバがあるんだ、と魂が震えた曲。
あまり日本語verが聴きたいと思うことはありませんが、こちらは日本語でも聴いてみたいなと思いました。
自分が同じ時期にカムバするアイドルだったら、怖くなってしまうのでは?と感じるほどのステージでした。
実はデビュー当時から曲が好きで音源は必ず追ってたオネノプですが、ラウンくんの脱退が不可解で釈然としないままで、それがネックとなりなかなか食指が伸びずにいましたが、あまり話題に上がることのないオネノプが周りから絶賛されており、気になって聴いたら、まさに魂のカムバでした。
こんなにハートフルで、聞き手のこころにプッシュできるカムバは多くはないと思うので、リアルタイムでこれを見れたことがわたしがオタクをしている理由・・・と感慨深くなりました。ありがたい・・・
最後にフィエスタを飾っていただこうと、10曲目に選ばせていただきました。
こんな良いカムバに出会う季節二度とない…
以下、上記の候補曲です。
Go Big or Go Home / ENHYPEN
Love On The Floor / NCT 127
DONGKIZ / Universe
CIX / Chinema
TREASURE / MY TREASURE
THE BOYZ / Make or Break
NCT DREAM / Irreplaceable
NU'EST / INSIDE OUT
毎年毎年20曲くらいに絞ってからが大変ですが、こうやって毎年好きな曲が更新される環境や自分の心理状態がとても嬉しいです。
2022年も新しいものにいつでもときめける精神状態でいたいです。
では、2022年も2月に突入しましたが、
でお会いいたしましょう。書けるかな・・・